魚眼日記

その女、七転八倒につき

2月4日(水)写し文ちゃん

こんばんは七転八倒です。


私はちょうど一年前に出産しました


息子が大きくなったら読ませたいと思っている

出産した日に旦那が書いたがありますので


今日はそれをご覧ください
読んだことあるって方すんません



おぎゃあおぎゃあと泣くのである。

~~~

予定日を3日ほど過ぎたこの日、夜中に連絡をもらったので朝に静岡を発つ。
柏の病院に着いたのは正午頃。
駅を出るとものすごく寒い。ちなみにかたや静岡の予想最高気温15度。
どうなっているんだこの国は。


既に妻は陣痛室にいるという。分娩室に行く前に、胎児が下りてくるのをひたすら待つための部屋である。
一度ついてきた事はあるものの、その部屋がどこだったか失念し右往左往。
既視感のあるエレベーターを発見し向かおうとするも、扉には「面会者は面会者入り口で手続きせよ」との張り紙。


そうとは知らずその入り口を素通りしてきてしまった。


「面会者証のない者は容赦なくつまみ出す」


という脅し文句(実際はもっとやわらかい)に怯えながらも、引き換えし手続きをすませ、妻の元へ向かう。


未明から続く陣痛に既にアンニュイな面持ち。
下腹部に鈍い痛みが続くという。
深夜から始まり一睡もしていなく、昼時ではあるが食欲もなく水分を採るばかり。
運ばれてきた昼食はお義母さんがおいしく召しあがった。

この陣痛の辛さというものを男性は共感してあげられないのが申し訳ないが、
例えば股間を思いっきり殴られて、その痛みが体の内側で持続すると想像しよう。
思いを馳せただけで脂汗が滲もう。

予定では2時間後ぐらいに分娩台にあがるという。
それまでこちらはやる事もないので気晴らしに外をうろつくと、空からは雪がちらつく。
もう一度言うが静岡は予想最高気温15度。

陣痛室に戻り、予定時間は近づくもなかなかスムーズに赤ん坊がおりてこない。

時折、看護学生たちと教官が実習という事で断りを入れて様子を観に来る。
時間の都合がつけば彼女たちも、出産を見学するという。


さすが舞台女優。オーディエンスは一人でも多い方がいいという事か。


彼女たちは様子を見ながら、他愛もない話を振ってくれる。
少しでも気を紛らわそうとしてくれているのかもしれない。
が、こちとら陣痛は既に12時間に及んでいる。

教官、笑顔で曰く、
「陣痛は12時間ぐらいが平均ですからねー」

「もう12時間たってますっ!」

と痛みに苛立ちを隠さない妻とのやりとりにゾワゾワしてしまった。

それでも15時を過ぎたあたりから、苦しさはさらに増したようで、佳境である。
そんな中、本日の実習の時間が終わったから今日はここで帰るという学生たち。


帰るんかい。

まあ、いいけども。


さて世の男性諸氏、覚えておくのだ。
妻が陣痛に苦しんでいる時、夫ができる最大の奉仕は



「肛門を拳で押す」



事である。

そういえば母親学級なるものについて行った時に、そう言われた事がある。
本当は硬式テニスボールあたりが硬さ・弾力・大きさ的にいいらしいのだが、生憎、ここにボールボーイはいない。
この狭いウィンブルドンには、セリーナ・ウィリアムズみたいなうめき声をだす妻だけしかいない。
そこでテニスボールの代用品として私の拳が採用される。

痛みの波が襲ってきた時、拳で尻を押す。
その感覚はよくわからないが、何だか「楽」なのだそうだ。
押すことによって、今までされた事のない心からの感謝をされるぐらいの大仕事だ。

いいですか、押すんですよ。

押えるんじゃないですからね。

コレ、本気で押しこむんです。


尻がぶっ壊れるんじゃないか

と思って加減すると


もっと押して!


という、


滑稽過ぎる怒号がとびます。


おかげで今、私の腕、そこはかとなく筋肉痛ですから。

これゴルフ肘にはかなりの重労働ですよ。


しかし、押してほしいという気持ちも何度かやるうちにわかってきた。

何せ、こちらから全力で押さないと、身体の内側からの物凄い力で押し返されるのを感じるのだ。


このまま出てくるんじゃね?


みたいな。

徐々に子宮口も拡がってきているが、それでもまだ時間がかかりそう。

そこで陣痛促進剤なるものを投与する事になった。

これで子宮の動きを活発にさせるらしい。


勿論、それなりのリスクもあるようだが、事前に説明をうけ、心配ない旨を言い含められる。

点滴にて30分ほど投与する。

この間も私の拳は妻の尻にめりこんでいる。


が、しばらくして様子がおかしい。

胎児の心音を聞いていた機器から音がしなくなり、

素人には意味の分からない専門用語が飛び交いだす。

時折、

「心音がどうたらこうたら」

「吸引をなんたらかんたら」

「点滴を止めて」

とか漏れ聞こえるものだから気が気じゃない。

医者や助産師が慌ただしくなり、PHSでもっと上位の担当医を呼び出している。

というか、手当たり次第呼び出しまくっている。

すると

今までどこにいたんだ


というぐらいの数の医者と助産師たちが狭い部屋に殺到する。

そして


それ何に使うのよ


というデカい医療用マシンが運ばれてくる。


もはや形容する言葉が



何だかERっぽいね


というものしか見つからず、こうなると私も義母もさすがに不安に覆われる。
何かしらの緊急事態が起きているらしい事しかわからず、そうなるとまあ色々と悪い想像などもしなければならないが、ようやく分娩台に運ばれる事になった。


外で待つ私をよそに分娩室の扉は閉められる。


ああ。私も立ち会えないような深刻な事態がおきているのかな。


という考えが頭をよぎる。




助産師の一人が、


「旦那さん、カメラ用意しておいてくださいねー」


と言って颯爽と部屋に消えていく。



大丈夫なの?大丈夫じゃないの?どっちなの?



あまりの言葉の軽やかさに戸惑うも、プロフェッショナル達を信じねばならぬ。


「旦那さん、どうぞー、入ってください。カメラを持って。」



やたらとカメラの事を気にしてくれる病院さんだ。


分娩台に乗ってからも激闘はしばらく続く。

立会いとはいえ、私にできる事は何もない。

とりあえずカメラの出番はまだまだ先の様だし。

一時、今までどこにいたんだというぐらい集結した医師たちは


これからどこへいくんだ


という具合に三々五々散っていく。

おそらくは何かしらの問題は去ったのであろう。


こうなると後は妻の頑張り次第。


波がきたらいきむ。

そうやって徐々に赤ん坊を外へ押し出していく。

これも非常にじっくりと時間をかけてのことだった。

例によってまた世間話で気を紛らわせてくれようとしての事だろう。

私達が終始無言なのを気にしてか、

「お二人とも落ち着いていますねー」

と言ってくれるが、

「2人とも根暗なんです」

生命の誕生の場にふさわしくない返答が精一杯。


やがて話が私たちのなれ初め的な事に及ぶ。

妻はそんな返答どころじゃなく、私も面倒なので

「共通の趣味を通じて」


という事におちついた。

あながち間違いではないが、言葉が足りな過ぎている部分はある。


さて、この「いきみ方」に関してはすべての助産師さんたちから「上手」だと感心されていた。

呼吸法のたまものであろうか。


分娩室に入って1時間。


産声とともに無事に出てきた。


元気そうで何より。


そして痛みから解放された妻を見てホッとする。

妻は文字通りすっきりした顔をしていた。

そして母の顔になったのだろう。

エコー写真の時から何となくそう思っていたが、宇宙人ぽいなこいつ。


それでも生まれてきてくれてありがとう、おめでとう。


そして16時間に及ぶ七転八倒の末、産んでくれてありがとう、おめでとう。




一方、慌ただしく用意された


それ何に使うのよマシン

は結局使われずにそのまま片付けられていった。


結局あれは何に使うのよ。



最後までお付き合いありがとうございました!


またね!
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今日の体重48.6


  1. 2015/02/04(水) 22:00:46|
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コメント

今夜もブログ読ませ頂きました。
新ためて、良かっなと思いました。
本当に碧君、お誕生日、おめでとうございます。
  1. 2015/02/04(水) 23:08:01 |
  2. URL |
  3. ソメちゃん #-
  4. [ 編集 ]

ソメちゃん

ありがとうございます。
いつもソメちゃんの言葉に励まされています。
これからもたくさんブログ書きます
  1. 2015/02/05(木) 18:24:58 |
  2. URL |
  3. 美弥子 #-
  4. [ 編集 ]

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