魚眼日記

その女、七転八倒につき

11月21日(日)眠れちゃん

叔父さんが死んだ


それを知らせた父さんの声に


コヤミは泣いた


彼の悲しみ涙が出る






おばあちゃんが死んだときは


母さんの声に泣いた


彼女の悲しみが悲しい






家族はこうして繋がっているのか?






山手線に乗って叔父さんの遺体に会いにゆく




対象を誤ったコヤミの涙が



一人の浮浪者を映す


もう何年もあの通りに住んでいて


生を育んでいる老人



まったくすげーなおっさん!




大きな扉を開けると


叔母さんと従兄弟達が向かえてくれた




コヤミの背が伸びたとか


声が変わったとか


いろんな言葉でコヤミを包んだ





ごはんを作って食べたり


ものを整理したり


たくさんの言葉で互いを確かめ合って





誰かから悲しみが漏れないように





1人1人がやさしいバランスを保ってる





叔父さん





家族はこうして繋がっているのね



  1. 2010/11/21(日) 21:20:15|
  2. 35歳で出産&子育て
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11月1日(月)ゆうこちゃん



むかしむかし


コヤミはゆうこちゃんになりたかった



ゆうこちゃんは色白で勉強ができて、スポーツもできる人気者だった


コヤミは色黒で勉強ができず、スポーツはできるワンノブゼムだった




二人は親友だった




ゆうこちゃんはよくモテていた


コヤミはあわよくばモテたかった




ゆうこちゃんはバレンタインにさとるくんにチョコをあげていた


コヤミもバレンタインにさとるくんにチョコをあげてみた




ゆうこちゃんは将来、言語学者になるのが夢だと言った


コヤミは一体、ゲンゴガクシャって何だろうって思った




二人は当然、別々の高校に進学した




ゆうこちゃんは少しずつコヤミを忘れていった


コヤミはいつまでもゆうこちゃんを追いかけていた



ゆうこちゃんがいないのをいいことに


彼女の話し方や髪型、性格を真似した



その姿ことごとく不自然滑稽なことこの上なし



長い年月をかけて



コヤミはゆうこちゃんになれないことを知った



ちゃちい挫折




「しばらく帰りません」


コヤミは泣きながら荷物をまとめ、自分探しの旅に出た



駅前まで行って



「めんどくさ」くなって引き返してきた







これが私なのだ







一瞬出かけて


コヤミは自分を知った






憧れのゆうこちゃん



あなたが大切にしていた消しゴムを盗んだのはわたしです



ごめんなさい

  1. 2010/11/01(月) 18:39:16|
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