魚眼日記

その女、七転八倒につき

5月29日(土) ポトリちゃん

きっとあたしは笑う

そこまでは分かってた

問題はそのあとだ




アトリエフォンテーヌ


コヤミは2列目の真ん中に座った

開演までパンフを読んで待っていると

何やら膝の上で小人が数人コソコソ騒いでいる


「おい、あれ高松じゃねーか?」

「そーか?」

「襟足が右に流れてんだろ?間違いねーよ」


コヤミの前は高松くんだった


「襟足、左に流しちまおーぜ」

コヤミが止めようとした瞬間、幕は上がった


冒頭が終わって明転すると

ハゲヅラを被ってダルマみてーなメイクしたなしおがいた


コヤミは笑った


笑って 笑って 笑った


急に胸が苦しくなって



涙が落ちた




笑い過ぎて?

違う

悲しくて?

違う


なしおが本気だから


余計なものをかなぐり捨てて板に上がる




女優さん皆綺麗だね

ナシオナンテハゲヅラダヨ

メイクばっちりだね

アシモトニモオヨバナイ

笑顔が素敵だね

デナオシテコイヤ



気合いのベクトルがきっと違う


華やかな舞台の後ろで悲鳴をあげてきた
ちぎれそうな情熱があたしは見たい



終演後、なしおに涙のことを告げると

「は?なんで?」


ま、そんなもんだろう
  1. 2010/05/29(土) 14:06:48|
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5月11日(火) 友ちゃん

おがっちとゆかとコヤミ


高校2年生



ルーズソックス全盛期のその頃


3人は短いソックスを履いていた



クラスの女子がビューラーでまつ毛を押し上げていたその頃


3人は教室の隅っこで机に落書きをしていた




おがっちは飯を食うのが遅ぇ

油断すると昼休みが終わる

味の分かる子でまずいと残す



ゆかは飯を器用に食う

油断するとハシ袋が鶴に変わってる

味の分かる子でまずくても残さない



コヤミは飯の食い方が汚ぇ

油断すると服にシミが付いている

味の分からない子でまず残さない




卒業旅行で沖縄へ


沖縄料理のウミヘビを食べようと3人は息巻いた



ウミヘビは想像以上にグロテスクだった


想像以上に高かった



その夜3人はモスバーガーを食べた



一緒にいるだけで友達だと思い込んでいた日々




嫉妬憧れ競争共有自慢卑下軽蔑尊敬救い救われ偽善に愛


絡まりあうトライアングル




久しぶりに3人で飯を食った



3人は変わっていない



この関係はきっとまだまだ続く
  1. 2010/05/11(火) 20:59:34|
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